関西学院大学探検会

無人島合宿報告書(由利島)由利島12.jpg (77237 バイト)

 

『目的』 1.山・川・洞窟その他諸々の合宿で必要な野外での生活能力を高める。
     2.食うために生きるにあらず、生きるために食うべし。ついでに、嫌いな食べ物
      の克服。
     3.無人島に行くことはできても、いることはできないというパラドックスに立ち
      向かうプロジェクトX。

『場所』 愛媛県温泉郡中島町由利島

『期間』 2001年9月2日(日)〜8日(土)

『費用』 13000円程度{電車代4600円(18切符)、船代6000円、その他3000円}

『隊員』 田村彰浩   文2(隊長)   三村明里   文1(記録B兼会計)
     小路山裕紀  神女2(副隊長) 北原知也   社3(写真家)
     北中里佳   神女2(医療)  三村知之   法3(料理人)
     服部真矢子  社2(食糧)   大西聡子   文4(祖母兼長老)
     坂口円    商1(装備A)  阪本泰人   経4(遊び人兼会計補佐)
     西垣慎二   文1(記録A)  田辺梨絵   経4(きれいなおねえさん)
     松尾常広   経1(装備B)

『共同装備』 ヨーレイカZ、ムーンライトZ、ヨーレイカX、MSR、MSRの頭、カートリッジ500×4、カートリッジの頭×2、ラスボトル×2、鍋×4、調理セット、ランタン、マントル、ろうそく、救急医療セット、ポリタン(折りたたみ式)10L×4、蚊取り線香、テンマ、ラジオ、小麦粉4袋、嫌いな食べ物、スコップ大・小、カメラ、花火、ゴミ袋、新聞紙、鉈、鋸、旗、缶(缶蹴り用)、バット、ボール、バトミントン、釣り道具、怖いテープ・本、浮き輪、ビーチ板、金網

『個人装備』 水着、着替え、防寒具、タオル、シュラフ、シュラマ、ブキ、バール、米8合、調味料(砂糖、塩、醤油、味噌、ソースその他)、保険証コピー、ザック、帽子、トイぺ、へドラン、換え電池、ポリタンク2L×4、レジュメ、非常食、常備薬、ナイフ、ゴミ袋、コンパス、筆記用具、ライター、マッチ、洗面用具、軍手、遊び道具

『日程』
9/2(日)7:30JR大阪駅集合〜8:05JR大阪駅出発〜11:24JR岡山駅〜13:20坂出駅、昼食〜17:00松山駅〜17:45ダイエーで買出し、夕食〜19:00三津浜港、船待合室前にて就寝。

9/3(月)8:00起床、朝食〜11:00漁船二隻に分かれて乗船〜12:20由利島上陸〜テント設営、トイレ設営、薪拾い、魚貝の採取〜14:20昼食(白米・貝・魚)〜 野球〜19:00夕食(?)〜21:00就寝

9/4(火)それぞれ起床〜9:10朝食(?)〜島内偵察〜野球〜16:20夕食〜18:00ビーチフラッグ〜21:00廃屋で怪談(稲淳不発)〜22:00就寝

9/5(水)9:00起床〜10:00朝食準備開始(うどん)〜12:00朝昼兼食〜自由行動〜17:00夕食(炊き込みご飯、魚・貝のムニエル、嫌いな食べ物)18:00花火〜24:00就寝

9/6(木)10:00起床〜11:00朝食(中華風ご飯、おすまし)〜自由行動〜17:30夕食(ご飯、お味噌汁、貝)、22:30就寝

9/7(金)8:00起床〜撤収準備、タイムカプセル作り〜10:00由利島脱出〜11:00高浜港〜11:30松山駅〜13:00銭湯(松の湯300円)〜17:00打ち上げ(居酒屋ぶらぶらある記)〜11:00カラオケWAO(翌日4:00まで)

9/8(土)6:00電車にて帰りの途につく。

 

『各項目別反省』

・水編・・・・・一人一日2L飲むと計算し、4日で8L。井戸水はあてにならないため各自プラス2〜6L。調理等の共同水40L。個人の水は大半の人が余る結果となった。これは、天候がカンカン照りではなく、合宿通じて曇り空であり、汗をかかなかったことが要因の一つにあげられる。また、俗世間の料理とは違い、味付けが薄くなったことも考慮される。しかし、重いのを我慢したおかげで、足りないという事態に陥らずに済んだ事から、水の量はこれで良かったように思う。

 

・食編・・・・・米一人8合、小麦1日1袋、調味料多数(必須)。小麦のガンバリをたたえたい。料理に幅ができ、魚や貝とのタッグにより、食卓は華やかなりし。
うどんやケーキまがいの珍品もおいしかったよ。ムッシュ三村氏のガーリック味ムニエル卍固め(由利島風)が絶品。好き嫌いは当人がてをつけるやいなや、ハイエナどもがガッツき、その日の食事には笑顔が戻った。特に、甘いものに飢えていたのか円のレーズンパンは大人気。阪本さんがマヨネーズを食されたシーンが目に付いて離れない。まぁ嫌いなものは別に食べなくたって、生きていけるんだよ〜ん。

 

由利島02.jpg (76404 バイト)・狩編・・・・・釣りは思ったより戦果が上がらず、代わりに魚(ハゼ、べラ?)を銛で突くことの方がうまくいった。阪本さん、三村さん、北原さん、コジ、西垣が上手だった。私はちなみに0匹。コジの隠れた才能にびっくり。一番突いていた。乱獲女王様とお呼び。
船長が教えて下さった貝(あわびのちっちゃい版)も、簡単に採取できた。残念ながら島に多数糞を撒き散らしていたウサギを狩ることはできなかった。また山菜の採集も勉強不足で不振に終わった。もっと貧相な食事を強いられる事を予測していたため、かなり満足のいくものだった。(我が下宿における食事よりは)

 

由利島11.jpg (90769 バイト) ・住編・・・・・波や風の心配がない所に住居を構えることができた。スコップ大は改札でブザーを鳴らされたりもしたが、重宝した。ただ後ろにあった廃墟にはブルッた。トイレは女性陣の清風寮三姉妹(Rえ、Jr、$)が、S子大便、M子小便らと共に人目のつかない所に立派にこしらえてくれた。マイベストオブ便所である、関学図書館3F男子便所並の居心地の良さには皆、舌鼓を打った。ただし、女性陣は夜になると海を便所と勘違いしているらしく、見事に我が故郷を汚してくれた。


・火編・・・・・火器を用いることなく、焚き火でいけた。薪はいっぱいあり、かなり本格的なかまどに仕上がった。また漂着物は本土の生活用品が多かった。星は対岸や行き交う船の明りでさほどきれいではなかったが、月が赤かった。ムーンロード。幽霊船のような船の明りや、波打ち際の光る生物(海ほたるの友達?)は、なにやら幻想的であった。

由利島08.jpg (85893 バイト) ・島編・・・・・島内偵察の際に赤テープのない、登山道ではないルートを切り開いていった体験は、新鮮であった。先人がいて、最終日の前日になるまで、島を我々の占有物にできなかったが、テン場は全然別の所だったので良しとしよう。海もエメラルドグリーン色で地中海、エーゲ海、アドリア海とよく知らないが瀬戸内海と思われないくらい、いい感じ。

・人編・・・・・送り迎えをして下さった萩原流行似の豊田さんと、もう一人のおっちゃんは本当にいい人たちであった。

・難編・・・・・携帯電話が全会社とも使用できたが、大きな事故や、重病が起きた際に往復2時間はかかるため、何事もなくてよかった。山小屋等の設備もないので、万一の際にはどうしようもないのが現状か。(要課題)

由利島05.jpg (75354 バイト) ・怪編・・・・・稲淳不発。もう一方の変なおばはんも落ちがなくて、不発。夜の廃屋は大当たり。

・すいま編・・・ 企画からなので、実質、初隊長だったわけだが、合宿前から連絡不行き届き等の不手際があり、よろしくなかった。副隊長のコジが細かい指示を全部だしてくれ、13名もの大人数を統率できたのも彼女のがんばりであって、私自身は何もしなかった。隊長として、また上回生として、至らなかった点はこれからの合宿で改善していく所存です。里佳や真矢子も上回生として、自分の面倒は当然のことながら、後輩のことや合宿の骨となるところでは、大いに活躍してくれた。つくづく頼もしい同回生だと思った。
一回生にとっては、初の長期合宿となったわけだが、みんな手のかからない良い子達だった。円、Jr、西垣、松尾にはこれからもどんどん合宿に参加して欲しい。自由参加とはいえ、探検会はやはり合宿に参加してなんぼやと思う。奇妙なことに合宿中に、以前行った合宿の話題とかがよくでてくる。そんな時に第三者として聞くのも楽しいであろうが、当事者ならなおさらだと思う。合宿にいけば必ず何かが起こる。その一つ一つを大切にしていって欲しい。
 最後になりましたが、主だった役職にはついていないとはいえ、上回生の方々には、大変お世話になりました。今回は二回と一回の力だけで、やっていこうと思っていたのですが、ここぞという時にはどうしても、頼っていましたし、気付かない所でいろいろやってくださっていたに違いないと思うので、深く感謝いたします。いるだけで安心感を与える、そういったオーラを身にまといたい。


『個人的感想』

由利島03.jpg (89910 バイト)由利島06.jpg (109086 バイト) 無人島。この場所は文字通り、人がいない島である。この度の反省合宿はここで行われた。山でもなく、川でもなく、洞窟でもない。我々現役メンバーにとっては未開拓の分野である。前に並べた3つの場所はその場に行くというその行為だけで、目的の大半は達成される。ところが無人島は違う。ただ行っただけでは何事も起こらない。何もない、無から有を生み出す行為、これが要求される。目的なしに行ったのであれば、オートキャンプ場でのただのキャンプ生活と大差ない。しかし我々は違った。『自給自足』、これが一大テーマであった。我々が来て、去り行くまでは無人島は無人島ではない。有人島である。だから我々はいくら無人島に行くことができても、いることはできないのである。なかなかおもしろいパラドックスである。限られた水、海から得られる食糧のみでの生活は人間の動物としての本能を呼び起こしてくれた。食うために生きるのではない、生きるためには食わなければならない。こんな単純で当たり前なことでさえも、我々は日々、コンクリートのジャングルに囲まれ、機械に頼って生活していると忘れてしまう。立ち上がれ日本の労働者諸君よ。探検会万歳。
 なにはともあれ、無人島合宿楽しかった。1〜4回生の大人数も良かった。無人島という分野は、まだまだ発展途上で、一大合宿とはいかないまでも、暇なときや、人にまみれるのが嫌になったら行けばいいのではないでしょうか。無人島、春夏秋冬いずれにも当てはまる風物詩。ラララ無人島、ラララ無人島、ラララ、ラッ。

                                     了     田村彰浩

関西学院大学探検会