関西学院大学探検会

石川県・奥岩間温泉4回生合宿報告書

期間:9/29〜9/30
目的:秘境の温泉を捜し求める。
場所:石川県尾口村、白山の北側に当たる
メンバー:日比野陽平、三村知之、北原知也、井上奈穂子、平野詠子
結果:温泉は見つかった。もっと上流に登ると本当に河原を掘って入る温泉があるようだったが、今回は行けなかった。
報告:
   車一台がやっと通れるほどの林道を、崖下に落ちないかとひやひやしながら、15
分ほどで山崎旅館に着いた。ここから先は徒歩である。パジェロから荷物を出し、ザック
を担いで、手にはスコップを持ち、いざ出発だ。
   車止めを越えて砂利道を歩く。「温泉だから。」と軽いつもりで合宿に来たので皆装
備が貧弱で、特にスニーカーで来た三村、井上、平野の3人は足が痛いだのわめいている。
途中ですれ違った登山者には「すぐつくよ、30分くらいかな。」など言われた。実際は尾
根を幾度も巻き、1回休憩を入れて、1時間強かかった。
  目指す温泉は秘境とはいえ、僕らのように山崎旅館に車を止めて歩いてくる人や、白
山からの下山者で人がまったくいないというわけではなさそうだった。その日も山の格好
をした家族らしき登山者が先客にいた。コンクリで造られた非難小屋のほかにトイレまで
あり、僕らには興ざめだった。
  本当ならもっと上流の河原まで行くつもりだったが、天気が悪いのと、もう日暮れが
迫っていたので、非難小屋のそばのスペースにテントを張ることにした。一応飲み水は下
界から汲んで持ってきていたが、小屋のそばに豊富な沢水が引いてある。
  温泉は石組みの風呂がしつらえてあって、そのお湯はすぐそばの源泉から樋で引かれ
ている。もうひとつの樋には沢から冷たい水が引かれて、湯船の中に入り、熱湯をうめて
くれてちょうど良い湯加減になっていた。源泉は硫黄のにおいが当たりに立ち込め、周辺
の岩岩を黄色く染めていた。湯は滾々と湧いているようだった。とたんでふさがれた源泉
に近寄ると熱気でものすごく熱く、僕らは生卵やとうもろこしを持ってこなかったことを
激しく後悔した。
  テントを建て終えるとすぐさま温泉に飛び込みたい気分だったが、湯につかってしま
うとビールを飲みたくなるし、ビールを飲んでしまうとめしを作るのが億劫になることは
間違いなく、ここはこらえて先にめしを作ることにする。4回生でこういうキャンプに来
るのはこれが2度目だ。前回は東吉野に行って、日比野の用意したバーベキューこんろに
炭を起こして焼肉をしたが、今回もそれでいく。毎度のことながら炭起こしに苦労して、
福井の大野で買った材料で焼肉・焼き秋刀魚を食う。あたりは早くも暮れてしまっていた。
  飯を食って落ち着いたころに、気合を入れて風呂へ入った。寒かったからだ。温泉は
まったく最高で言うことなしだった。湯加減はベストだし、湯量も豊富、ワインをビンご
と回し飲みして長風呂と決め込んだ。曇っていた空がいつの間にか晴れ、星も見えた。こ
んなにいいなら今度は後輩も連れてサークル全員で来たいな、などと話す。
  その後疲れも出て9時前には就寝。
  翌日は朝6時に雨がテントをたたく音で目が覚めた。雨の中のテント撤収ほどうんざ
りすることはない。何とか雨がやんでくれないものかとテントの中で待つことにした。7
時過ぎになってようやく小降りになった。その隙にすばやく撤収し、非難小屋に逃げ込ん
だ。湯を沸かし、コーヒーを飲む。タバコをすう。そのうち雨が上がって晴れ間が見えた。
  前日より食料の分だけ軽くなった荷物を背負い、山崎旅館の車に戻った。帰途、福井
で永平寺に寄り夕方帰阪。

文章:北原知也(2002年11月12日)
 

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