関西学院大学探検会 |
西穂高岳から奥穂高岳への縦走合宿 北ア、岐阜県上宝村 期間 2003年7月29日〜8月1日 隊員 北原知也(隊長兼食料)24/社5 日比野陽平(副隊長兼装備兼記録)22/法5
予算 9450円(高速代金片道、新穂高ロープウェイ、テン場代、水代、食料、燃料など) 登山届け提出場所 新穂高温泉登山指導センター 学内緊急連絡先 田村彰浩(文4)
行動記録 <7月29日> (曇り)入山 7時JR高槻駅前集合〜15時前に新穂高温泉到着、15:45新穂高ロープウェイ乗車、西穂口から登山開始し45分で17時西穂山荘到着。「ズームイン朝!」の取材が来ていた。たった2分のオンエアのために何回も何回もリハーサルをしていたのがおどろきだった。山の上は霧で周囲が全く何も見えず翌日の天気が心配だった。隣の家族連れのテントがやたらにうるさくて大迷惑だった。テン場はそんなに広くはないものの小屋どまりの人ほとんど。一人500円、水リッター100円。 食料 夜:パック入りおでん二人前、ご飯1.5合、きゅうりの漬物、コーヒー
<7月30日> (雨)停滞日 深夜からテントをたたく雨音が聞こえ、「ああもう今日はダメだなあ」とあきらめつつ遅くまで寝ていた。朝起きてから停滞を決め、それでは今日はなにをしようかと話し合い、独標・西穂高岳まで偵察に行こうという話しになった。7時出発、少しでも前に進みたい思いもあり、テントをはれそうな場所を探しながら、独標までは45分で、独標から西穂高岳までも1時間で行けた。10時半西穂山荘に戻る。岩がつるっつる滑るやつで雨のときは非常に危ないことがわかった。翌日雨なら撤退にするしかないやろうと話す。午後の膨大な時間は山荘で行動食を食べたり、将棋をさしたり、やたらまとわりつくお客の子供相手をしていたり。日比野は小1の子供にけられて本気で痛がっていた。 食事 朝:乾燥にんにく入りカレーうどん、コーヒー 夜:永谷園マーボー春雨3人前、米1.5合、海藻サラダ、コーヒー
<7月31日> (晴れのち曇り)アタック 3時半起床〜5時出発(山小屋が5時にしか開かず水をもらえないため。本当はもっと早く出発したかった)〜5:45独標到着〜6:45西穂高岳到着〜7:45間ノ岳到着〜8:45天狗のコル到着〜11:13奥穂高岳到着〜12:15穂高岳山荘 行動時間を見てもらえばわかるとおり非常に快調なペースで登山できた。別に1時間ワンピッチと決めたわけでもなく自然にそうなった。西穂から先を歩いてみて、逆層の岩やテーブルロックが多いためやはり雨天時は危険だったなあと話していた。コース中危険な箇所はたくさんある。特に西穂から登ると後半部、奥穂手前の通称「馬の背」は気をつけたい。ナイフリッジになっており、バランスを崩し西に落ちたら岐阜県警、東に落ちたら長野県警である。僕らはここを西にまいたが、巻き道もガレていて非常に危険だった。基本的に登りはなんとかなるが、下りがこわい。コースは西から奥にとって正解だったと思う。ほか、天狗のコルに降りる鎖場もこわかった。 穂高岳山荘に着いたとたん、北原が頭痛・吐き気を訴え、なんとなくこれは高山病かもな、というかんじだった。岐阜大医学部の診療所があったけれども、特にしてくれることもないだろうと行かなかったが、実は「かなり苦しかった」(北原談)。後日、日比野がその日のテン場でのことを色々話すが「北原は何も覚えちゃあいない」。 高山病は怖い。即下山が対策だが、できない場合は酸素スプレーを。ないことが多いので山小屋かあれば大学医学部の夏季診療所へ。 入山前、穂高岳山荘に電話で白出沢(しらだし)の状況を聞いたところ「もう雪もないですし、アイピンいりませんよ」なんていっていたくせに、行ってみるとなんとあるわあるわ雪が!!山荘のお兄ちゃんが「あんたらピッケルないんかいな」みたいなこと言ってきたがそこそこの冬山経験もあるのでかまわず下山ルートにした。 テン場狭く不快。水リッター150円、テン場代600円。 食事 朝:にんにく大量入りマルタイ棒ラーメン、フルーツナタデココ300グラム、コーヒー 夜:「本店の味」醤油ラーメン
<8月1日> (快晴) 3:30起床、5:00テン場出発〜7:17荷継小屋跡(場所は定かではない)〜8:43白出小屋到着〜10:20新穂高温泉に下山。 おそらくこのコースに日比野クンは言いたいことが多いだろう。彼はこのコースを「やくざやなこれは!」と言った。何回言ったかわからない。しかし新穂高に下るにはここを下るしかないのだ。彼は浮石を踏み、斜めに一回転して地面に落下した。北原はただ見ているしかなかった。落ちていく瞬間の日比野のどうしようもない絶望感をじっとかみ締めている顔が今でも印象的だ。(すばやくマキロンを差し出す。)右腕にすり傷ですんだがしばらく血が止まらなかった。 雪渓はでかかった。が、夏道というか、巻き道が出ていたのでとくになんてことはなかった。雪渓の上を歩く必要はない。荷継小屋跡はわかりにくいが、それまで傾斜が「やくざ」なみにきつかったのが急に広くゆるくなったガレ場あたりだと思う。大滝はすさまじくでかかった。この下山路も落石の恐れや転落の恐れのある箇所が多い。あとは緩やかなくだりをひたすらだらだらと下山できる。白出小屋は使えない。穂高平小屋はあいている。牧場もある。北原的には北アの下山は「こんなもんやろ」的コースだった。ただここを登りルートに取るのはファック!!である。それはよほどのマゾがやることだと日比野君も言っている。(僕らは始めここをルートにしていたがさまざまな人のアドバイスにより止めました。実際いってみて納得でした。) 全体を通して。縦走ルートは高度感抜群で、岩など登りがいもあり非常に楽しかった。今回久々に充実度満点の山合宿になったと思う。コースタイムは全く当てにならない。僕らは普通に歩いていたがほぼ半分の時間で行けたのである。今回の湯に予備日を持っていって雨の場合停滞することも考えて行動食は多めに、そして非常食を買っていったことは正解だった。下山後は王将へダッシュだ。
緊急連絡先 岐阜県警地域課 058-271-2424 新穂高温泉登山指導センター 0578-9-3610 長野県警豊科警察署 0263-72-0110 穂高岳山荘 090-1420-0008 西穂山荘 0263-95-2506 岳沢ヒュッテ 0263-95-2506 (文責:北原知也)
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